新編・伊勢物語 第五百八十二段 掛川の久延寺に詣でて 星原二郎第五百八十二段 掛川の久延寺に詣でて 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、掛川にある掛川の久延寺に詣でて 歌を お石とふ 女の恨み 籠りゐむ 夜泣石こそ 触れ難きけれ 掛川の 茶をもて家康 もてなしし 一豊彼の日 何思ひつつ と詠み 夜泣石の伝承に思ひを馳せ また山内一豊公と徳川家康公の対面の舞台と なりたる久延寺の境内を徘徊(たもとほ)りけり。