新編・伊勢物語 第五百七十六段 三流の芸人の芸 星原二郎第五百七十六段 三流の芸人の芸 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十九年七月十三日の 知立市文化協会の短歌部会の 定例歌会に臨み 提出せし歌は 笑ひもて 笑ひをとるは 三流の 芸人なりと テレビに思ふ にて高点を狙ひけり。 歌の心は、笑はぬ笑ひの芸人といつぞや いはれたるアメリカのバスター・キートンしかり その男の最も尊敬する芸術家であるチャップリンしかり 至高の芸とまでは言はぬが、芸を磨きてカメラの前 またはお客様の前に立つべきとの思ひなり。