新編・伊勢物語 第五百七十段 沖縄土産の泡盛 星原二郎第五百七十段 沖縄土産の泡盛 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、昭和二十七年生まれにして、 もちろん戦中と終戦直後を知らざりき。 然れども心は戦中派なり。 たまたま、元同僚より沖縄土産に泡盛を頂き 歌を 友よりの 土産の泡盛 独り酌む 昭和二十年の 夏思ひつつ と、詠み 唯一 米軍との地上戦の行はれし 沖縄の悲惨を思ひ 多くの犠牲者の冥福を 祈りけり。