第五百六十六段 山川登美子記念短歌大会
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年七月一日
福井県は小浜市での第二十回 山川登美子記念短歌大会に
事前に次の歌
女将より 夜叉ヶ池伝説 聞き終へて
囲炉裏猪鍋 匂ひ立ちくる
を提出し入賞を狙ひしかば
選者の永田和宏先生の目に留まり
入賞の栄誉を賜りけり。
して歌の心(内容)は歌会の会場のある
越前と奥美濃の境の山奥にある夜叉ヶ池の伝説
つまり、旱魃続きに悩みたる地元の村人
雨乞ひを竜神に願ひけり。
叶はばその村人の娘を差し上げむ約束にて
雨、降りければその娘、竜神のもとに行きけり。
悲しきは村人なれど約束なれば致し方無く
嘆きけり。
とふ昔話を揖斐川中流域にある「揖斐川丘苑」の
女将より猪鍋の煮える間合ひの出来事なり。
猪鍋、美味此の上なかりけり。