新編・伊勢物語 第五百四十七段 駅(後編) 星原二郎第五百四十七段 駅(後編) 駅に今日も さはに行き交ふ 人々の 暮らし思はる それぞれの顔 駅前に 人待ち顔の 男ゐて 煙草を銜へ 時計見てをり 眼の合ひて 軽く会釈を したれども いづくの人か 思ひいだせず と 詠みて改札口をい出(で)にけり。