新編・伊勢物語 第五百四十八段 駅、出会ひと別れ(前編) 星原二郎第五百四十八段 駅、出会ひと別れ(前編) 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、名古屋鉄道の知立駅に程近く住みけけり。 知立駅を待ち合わせに利用し親しみを覚ゆれば 歌を ここに会ひ ここに別れの 物語 数々あらむ 舞台の駅は 九州より いで来し友を 迎へては 一期一会ぞ 酒をこそ飲め 駅前の 赤提灯の 居酒屋に 吸はるる如く 友と入り行く