新編・伊勢物語 第五百四十一段 丹後にて 星原二郎第五百四十一段 丹後にて 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十九年五月の下旬 丹後半島へと行きけり。 丹後王国とも称される古代のこの地域の遺跡を巡り 歌を 如何ならむ 長(をさ)の眠りて ゐしなるや 亀の形の 石室の古墳(はか) 加悦(かや)の里 見下ろす小高き 古墳群 丹後の昔(かみ)の 王国思ほゆ と詠み 朝鮮半島及び大陸とも交易し、繁栄せし 丹後の古代に思ひを馳せけり。