新編・伊勢物語 第五百十九段 越後の駒の湯温泉(後半) 星原二郎第五百十九段 越後の駒の湯温泉(後半) 万緑の 越後駒ケ岳 佐梨川の いで湯はぬるく ゆつたりと浴(あ)む ひとり来て いで湯に君を 想へども 携帯(けい)電話(たい)圏外 寂しかりけり 洋ランプの 灯影はひと夜 灯りゐて 祖父母思ほゆ なつかしきかな と、詠み 携帯電話の束縛から逃れ 仙郷とも思へる、奥山のいで湯の宿に身を置き 命を養ひけり。