新編・伊勢物語 第五百四段 佐渡島を巡りて 星原二郎第五百四段 佐渡島を巡りて 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十九年の春、佐渡島へと行きけり。 佐渡島をほぼ一周し 歌を 佐渡ヶ島 大佐渡小佐渡の 山脈(やまなみ)の 狭(はざ)の国仲 田植始まる 大佐渡の 海沿ひ狭く 小(ち)さき田を 耕し幾世 人は生き継ぐ 島びとが 神と崇むる 大野亀 畏み拝み 登るを躊躇(ためら)ふ と詠み 地図にては狭き島なれど、車にても走り甲斐の あるところとぞ思ひけり。