新編・伊勢物語 第四百八十五段 イサムノグチの庭園美術館 星原二郎第四百八十五段 イサムノグチの庭園美術館 昔、男ありけり。今も男ありけり。 その男、平成二十九年の春弥生 四国は讃岐の源氏と平家の古戦場の屋島の隣の 庵治(あじ)街道にあるイサムノグチの庭園美術館へと 行きけり。行きて数ある巨石の群立に驚き 眺め飽かずして歌を 庵治の地の イサムノグチの 美術館 彼の一代(ひとよ)を 石が語るも と詠み 説明書きの一切無き展示作品と 対峙するがに眺め、作者の想ひを 語る石群に耳を傾けけり。