第四百七十三段 日本で二番目に美味の五平餅
昔、男ありけり。今も男ありけり。
その男、平成二十九年の早春
奥三河の湯谷温泉へと行きけり。
温泉街のはずれにある店へ入り
名物のこんにゃくの味噌田楽と
やはり名物の五平餅を所望し
歌を
五平餅 日本で二番目に 美味といふ
湯谷の「まつや」の 味に頷く
と詠み 口の周りを味噌だらけにしつつ
食べ終へ 更に御代りを頼みつつ
【日本で二番目に美味】を売りにするとは
味に自信と謙虚さの現れとも思ひながら
さて、では【日本で一番の美味】なる
五平餅の店はとの疑問をいだきけり。