新編・伊勢物語 第四百六十一段 般若心経を唱へて 星原二郎 | isemonogatari2のブログ

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第四百六十一段 般若心経を唱へて

 

昔、男ありけり。今も男ありけり。

その男、仏教徒にして曹洞宗の檀家なれば

朝ごと仏壇の前に座して経文の般若心経を唱へけり。

して或る時、般若心経に対しての思ひを歌に

 

呪文の 如くにみ祖の 名を呼びて

朝ごと唱ふる 般若心経

 

無の漢字 二十回出で来ぬ 心経の

二百六十三文字の 核心ならむ

 

舎利子とも 議論交はして みたきかな

朝々唱ふる 般若心経

 

仏壇の 奈落迦に 蔵へる

過去帳のあまたの み祖に守られ護る

 

学人に あらねど今日は み仏の

み前に坐り 心澄みゆく

 

と詠み 般若心経を西域よりもたらし

漢訳せしと伝はる玄奘三蔵法師に

対する畏敬の念を深めけり。