新編・伊勢物語 第四百六十段 木魚殿に捧ぐ(後半) 星原二郎 | isemonogatari2のブログ

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第四百六十段 木魚殿に捧ぐ(後半)

 

幾年を 叩かれ続け 禿たれど

読経の時に なくてはならぬ

 

禿たれば 木肌むきだしの 額にて

瘤なつくりそ おん身いとへと

 

空洞の その内にして 籠れるは

遠きみ祖の 祈りにあらむ

 

幼き日 悪戯をして 叩きては

叱られしことも 懐かしきかな

 

わが(しに)の 後の世には 誰が手にて

叩かれにけむ わが家の木魚

 

と詠み、今まで以上に我が家の木魚殿を

愛おしく思ひけり。