新編・伊勢物語 第四百五十八段 御前にて(後半) 星原二郎第四百五十八段 御前にて(後半) 日光の 華厳の瀧の 下(もと)にての 修行を常の 心と誦さな ゆゑありて 悲しと思ふ ゆふぐれは み前に坐して 眼瞑(つぶ)りつ 旅ゆくは ひとりにあらず み祖らの み霊ぞろぞろ 引き連れて行く 旅ゆくも 戻るもみ祖の お蔭にて 感謝を申し 家苞(いへづと)供ふ 諸々の 有縁無縁の み祖どち 仲よくませと ひたに祈るも と詠み 仏教徒にてよかりしとの 思ひを深めけり。