新編・伊勢物語 第四百五十二段 飛騨高山の朝市 星原二郎第四百五十二段 飛騨高山の朝市 昔、男ありけり。今も男ありけり。 その男、平成二十九年の二月の中旬 知立市文化協会の研修旅行とて下呂温泉に宿泊し翌日 飛騨高山に遊びけり。 雪降る飛騨高山の市街を歩き宮川沿ひに出(い)で 歌を 宮川に 沿ひて並べる 朝市の 媼(おうな)たくまし 赤蕪商ふ と詠みしかば、媼 試食を勧められけり。 男、勧められるままに試食したれば 「如何にや?」「美味からむ?」と問はれ購(あがな)ふ羽目となりけり。 げに商魂たくましきは老若問はず飛騨の女(をみな)と知りけり。