新編・伊勢物語 第四百四十七段 力石(前半) 星原二郎第四百四十七段 力石(前半) 昔、男ありけり。今も男ありけり。 その男、平成二十九年の二月、安城市箕輪の里の郷社 箕輪神明神社を詣でけり。参拝を無事に済ませ鳥居脇の 大小の「力石」目に止まりけり。由緒書きを拝読し 歌を 村祭り 年に一度の たのしみと 浄き御前に 居並ぶ若者 近在の 力自慢が 集ひ来て 競ひしならむ この力石(ちからいし) 力石 頭上高だか 持ち挙げて 村の若者の 満面の笑み 十貫目 十五貫目の 力石 二つ並びて いにしへ語る