第四百三十六段 三河知立(後半)
アイヌ語の 湿地の意味の 「ちりふ」にて
むかしの色に 杜若咲く
天明の 飢饉のむごさ 語るがに
郷倉甚く 傷み古りたり
数々の 伝説残す 空海の
足跡尋ね 橋をへめぐる
と、詠み 三河知立こそ、世界の都にして
日本の中心と独断と偏見の謗りは免れねど思ひ込みをり。
ちなみに、へめぐりし橋に架かるは猿渡川なり。川名の由来は
かの弘法大師 この地に通りかかり橋なき川を渡らむとする
母猿と三匹の子猿の渡河の様子を見てに拠るなり。即ち兄猿と
弟猿二匹は仲が悪く母猿が傍に居なければ、喧嘩を始めけり。
母猿、子猿を抱へて渡れるは一匹なれば思案の末に渡りけり。
如何にして渡りしか?
猿知恵とも思へぬ賢さなれば
その方法を賢明なる読者子にもお考へいただきたく願ひけり。