新編・伊勢物語 第四百二十二段 新しきノオト 星原二郎第四百二十二段 新しきノオト 昔、男ありけり。今も男ありけり。その男、平成二十九年の正月思ひ立ちて文房具店へと行き、ある買ひ物を終へ 歌を 新しき ノオト購ひ 何ならず この正月の 愉しかりけり と、詠み その新しきノオトに一年を掛け何が書かれむかと想像しひとり笑みをこぼしつつ家に戻りけり