新編・伊勢物語 第四百二十一段 伊那谷の「みはらしの湯」 星原二郎第四百二十一段 伊那谷の「みはらしの湯」 男ありけり。今も男ありけり。その男、平成二十九年の正月 門松の取れし頃伊那谷の「みはらしの湯」へと行きけり。行きて、歌を 仙丈ケ岳 頂の上(へ)に 雲ありて ほかに隈なき 正月の空 と、詠み 地球規模にて、「地球の気」の集まるところと云はれる伊那谷の冬の清冽なるを吸ひ込み、いで湯に身を清め一年を無事に過さむと願ひけり。