新編・伊勢物語 第四百十五段 続・太古の記憶 星原二郎 | isemonogatari2のブログ

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第四百十五段 続・太古の記憶 

 

昔、男ありけり。今も男ありけり。

その男、平成二十九年の寒さ厳しき頃、魔訶不思議なる

思ひをいだき

歌を

 

 生まれ出づる 前の記憶に したがひて

   寒くしあれば 丸まり眠る

 

 生まれ出づる 前の記憶を さがしつつ

   ひとり湯槽に 眼を(つぶ)りをり 

 

 浴室に 眼瞑りて おもひゐつ

   母が胎内の 環境に似る

 

 生まれ出づる はるか昔を わがうちに

   尋ね辿りて 広ごる景色

 

 産道を 通り出でたる 時のこと

   記憶にありと 淀川長治は

 

と、詠みしかど、感覚の記憶にて、さだかならざれど

係る事もあながち否定出来ず、有り得る事と

頷きけり。