新編・伊勢物語 第四百七段 平成二十九年の初夢 星原二郎第四百七段 平成二十九年の初夢 昔、男ありけり。今も男ありけり。その男、平成二十九年の元旦から、二日にかけての未明に初夢を見て、歌を 初夢に 母顕(あらは)れて 飼犬の 「富士」も家族と 世話を焼きをり と、詠み 初夢には「一富士、二鷹、三茄子」と古来いへど、富士と元気なる母とは「こいっあぁ初春(はる)から、縁起がいいゃあ」と歌舞伎の科白さながらを思ひけり。更に干支が一年づれて戌年ならば、なほ慶かりしと悔しがりけり。