新編・伊勢物語 第三百九十八段 鈴木家の氏神様を詣でて 星原二郎第三百九十八段 鈴木家の氏神様を詣でて 昔、男ありけり。今も男ありけり。その男、父系の姓を鈴木と云へり。して、その鈴木家の総氏神様を祀る藤白神社に詣でけり。詣でて 歌を 熊野古道 一の鳥居の 藤白の み社の楠の 巨きを見上ぐ 鈴木家の 氏神なれば 鈴木なる 父と祖父母を 偲び額づく と 詠み 父親・祖父母・同胞の安寧を祈り捧げけり。