新編・伊勢物語 第三百九十三段 湯の峰 星原二郎 | isemonogatari2のブログ

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第三百九十三段 湯の峰

 

昔、男ありけり。今も男ありけり。

その男、平成二十八年の初冬 

熊野は本宮大社の麓の湯の峰へ行きけり。

行きて歌を

 

 あさもよし 紀伊のいで湯の 湯の峰の

   壷の湯奇しき 色にあふるる

 

 みくまのの 熊野大社の 湯垢離(ゆごり)場の

   いで湯は古く 溢れやまざる

 

 いそのかみ 小栗判官が 湯治せし

   奇しきいで湯ぞ いま吾も浸る

 

 湯筒とふ 百度に近き いで湯なれば

   玉子たちまち 茹で上がりたり

 

 本宮へ 熊野古道の 石畳

大日(だいにち)(ごえ)の けはしきろかも

 

と 詠み 熊野の歴史の深きに触れけり。

因みに「あさもよし」とは「朝も良し」の意にあらず

「麻裳良し」にて、紀伊の枕言葉なり。