新編・伊勢物語 第三百九十一段 魚の名前の歌 星原二郎第三百九十一段 魚の名前の歌 昔、男ありけり。今も男ありけり。その男、三人の子ありけり。かって子等と共に食卓を囲みし日々を思ひ出し歌を 魚の名を 食ぶる毎に 覚えよと 幼き頃より 子に教へ来ぬ わが子等よ 日本人なれば 日頃食ふ 魚の名知らぬは 恥と言ひつつ と 詠み 子等と共に食ぶる、海の魚は美味しかりしと思ひ出しけり。