第三百八十六段 四字熟語を詠み込みての歌
昔、男ありけり。今も男ありけり。
その男、四字熟語に関心を寄せ、一首の中に詠み込みて
歌を
陶芸家 河井寛次郎氏の 造語にて
手考足思とは 彼らしきかな
看板に 年中夢求と 掲げあり
年中無休の カラオケの店
社長室の 一天四海の 扁額の
意味を問ひつつ 商談進む
われもまた 散策途中に 休むなり
明治天皇 駐蹕御跡
仕事用 個人用とて 二つある
携帯電話 ときに煩はし
と 詠み 白川静 漢字博士の「常用字解」を折々に
紐解くことの楽しみを覚えけり。