新編・伊勢物語 第三百八十五段 歌を詠む者と歌を読む者 星原二郎第三百八十五段 歌を詠む者と歌を読む者 昔、男ありけり。今も男ありけり。その男、和歌の道である敷島の道を歩みけり。して、ある時は他人の作品の評論を書きけり。書きつつ両者の関係を思ひつつ歌を 詠む者と 読む者の間に 通ひ合ふ深き思ひの ありて響かふ と 詠み 自分の作品を書く事以上に評論を書く事に心を配りけり。