新編・伊勢物語 第三百七十四段 指宿砂蒸温泉 星原二郎第三百七十四段 指宿砂蒸温泉 昔、男ありけり。今も男ありけり。その男、平成二十八年十一月 鹿児島は指宿にある砂蒸温泉へと行きけり。世界で唯一の天然砂蒸温泉にて汗を流し歌を 地の底ゆ マグマほどよく 噴き上がり砂の熱きに わが身を養ふ 形よき 開聞岳を 見やりつつ砂蒸風呂に わが身横たふ と 詠みけり。その後、飛行機にて九州を離れ際に 九州の 神々の峰よ 火の山よ今は罷らむ 吾はまた来む と 詠み 南九州の旅を終へけり。