第三百五十九段 長久手の古戦場跡
昔、男ありけり。今も男ありけり。
その男、平成二十八年晩秋
長久手にある古戦場跡へ行きけり。
行きて 歌を
長久手の 古戦場跡の 落ち葉道
音なつかしみ 踏みて行くかな
長久手の 地球博会場 近けれど
古戦場跡の 森寂かなり
両雄は 並び立たずと 云ひしかば
秀吉と家康 ここに譲らず
と 詠み 羽柴秀吉と徳川家康が意地と面子を
賭けて睨み合ひ、鬩ぎ合ひ、戦ひし野原を
歩きけり。