新編・伊勢物語 第三百五十八段 碧南東端城址 星原二郎第三百五十八段 碧南東端城址 昔、男ありけり。今も男ありけり。 その男、碧南市の安城に隣接の東端町を通りけり。 その県道沿ひに「東端城址」の看板を目にして 立ち寄りけり。 寄りて、歌を この地にも 兵どもが 夢の跡 石垣のこりて 木枯らし渡る と 詠み 松尾芭蕉翁の代表的名作と名高き 「夏草や 兵どもが 夢の跡」の情況設定は 夏なりしかど、初冬こそ兵を偲ぶに相応しき 時候と思ひけり。