新編・伊勢物語 第三百一段 古鏡 星原二郎第三百一段 古鏡 昔、男ありけり。 今も男ありけり。 その男、古代の鏡に関心を寄せけり。 渡来人の持ち来し金属の鏡の眩きばかりの光を 初めて目にせし縄文系の 人々の驚きの顔、浮かび来れば 歌を 三角縁神獣鏡に 写りたる 卑弥呼の顔の 妖しきまなこ まひかりの 魔除けの鏡に 護られて 王の古墳(ふるはか) 千歳を眠る 真澄(まそ)鏡 かがみの中に 《かみ》まして 神の器と 棚に飾らる と 詠み わが心を古代へとタイムスリップさせけり。