新編・伊勢物語 第二百九十八段 駅 星原二郎第二百九十八段 駅 昔、男ありけり。今も男ありけり。 その男、名古屋鉄道の知立駅に程近く住みけけり。 知立駅を利用し親しみを覚ゆれば 歌を 秋来れば 駅前広場の 噴水の 音もすがしく 聞こえくるかな 噴水の 塔の上なる 女神像 秋の日差しに まばゆく仰ぐ 駅に今日も さはに行き交ふ 人々の 暮らし思はる それぞれの顔 と 詠みて改札口を出にけり。