新編・伊勢物語 第二百六十八段 近鉄沿線 星原二郎 | isemonogatari2のブログ

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第二百六十八段 近鉄沿線 

 

昔、男ありけり。 今も男ありけり。

その男、惚れたる女ありけり。

その女、伊勢の国の松坂に住みければ、三河の国の池鯉鮒より

通ひけり。通ひつつ 歌を

 

 木曽長良 揖斐と渡りて 君の住む

   伊勢の松坂 逢ひにい行かむ

 

 渡りゆく 木曽三川の 鉄橋に

   変はらぬものは 流れと思ふ

 

 名古屋より 松坂までに 河いくつ

   ありやと今日は 数へつつゆく

 

 松坂は 本居宣長の 町にして

   君住みゐれば いよよ親しき

 

 母方は 蒲生の姓の 君なれば

   武将氏郷の 血筋引くらむ

 

と 詠みて 戦国時代の武門の姫君の面影を宿す

ひとに惚れけり。