第二百四十四段 出雲の古代
昔、男ありけり。 今も男ありけり。
その男、出雲の国へと古代をもとめ行き
歌を
風土記の 丘の昼下がり 風をなみ
秋のことぶれ 蜻蛉飛びかふ
記加羅志の 社の跡の 丘の木に
いにしへよりの 風は吹きつつ
岩波の 古事記携へ たどりゆく
出雲の国の まほろばの跡
ここ松江 英国育ちの 男来て
讃へし文を 書き遺したり
と 詠み出雲の歴史の豊かさを小泉八雲と
語りたきと思ひけり。