新編・伊勢物語 第二百三十一段 勾玉の謎 星原二郎 | isemonogatari2のブログ

isemonogatari2のブログ

ブログの説明を入力します。

第二百三十一段 勾玉の謎

昔、男ありけり。 今も男ありけり。

その男、古代の装飾品の勾玉にいたく興味を持ちけり。

調べ行く程に謎はますます深まりければ、歌を

 内側を 丸く刳りぬき 紐の孔

   ()にあけ碧き 勾玉なりき

 日の神の (すがた)の鏡 月読の

   (すがた)の玉に 宿る(くし)(みたま)

 何ゆゑに 斯くの如くに 曲れるか

   月に拠るとも 牙に拠るとも

 わが身をば まがごと(よけ)けて まもらむと

  (つひ)の形の 勾玉ならむ

と 詠めど、勾玉の謎は深まるばかりにて

わが愚かなる頭脳は混乱を来たしけり。