新編・伊勢物語 第二百八段 酸ヶ湯温泉 星原二郎 | isemonogatari2のブログ

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第二百八段 酸ヶ湯温泉

昔、男ありけり。 今も男あり。

その男、平成二十八年の初夏、津軽を旅して

酸ヶ湯温泉の湯宿に泊まりけり。

ここは日本保養温泉指定の第一号の名湯にして

かの棟方志功画伯のゆかりの宿なれば思ひを歌に

数枚の 棟方大人(うし)の 倭画を 

   廊下に掲ぐ 酸ヶ湯の宿は

 重曹の 成分多き いで湯にて

   万病によき 効能ありとふ

やや熱き いで湯をあがり 飲み干せる

   冷えしビールは 旅の奢りと

ダイヤル式 電話機未だ 使ひをり

古き建物の 酸ヶ湯の宿は

八甲田の 山ふところを 深く来て

  いだかれ眠れ 酸ヶ湯の宿に

と 詠み 名物の混浴ヒバの千人風呂を

心ゆくまで楽しみ、棟方志功画伯を真似て

がっははは と笑ひけり。