第二百三段 鬼太鼓を聴く
昔、男ありけり。 今も男あり。
その男、縁ありて和太鼓集団「鬼太鼓座」の
演奏を聴きけり。その迫力に圧倒され感想を
歌に
身に着けるは 褌一枚の いでたちに
叩く太鼓の 勇ましかりき
全身を 使ひ力の 限りもて
叩く太鼓は 髄に沁み来ぬ
噴き出づる 汗を拭はず 叩き次ぐ
背の肉群 躍る若人
わがうちに ながく眠れる 鬼のゐて
鬼太鼓の音と 響き合ひけり
昔より 鉦と太鼓を うち鳴らし
悪霊どもを 祓ひ来し音
と 詠み 日本の民間伝統芸能の持つ
奥の深さを知らされにけり。