第二百二段 大和言葉
昔、男ありけり。 今も男あり。
その男、歴史的仮名遣ひにて歌を詠み続けけり。
しかして、その大和言葉の発生に想ひを馳せて
歌を
わが言葉 やまとことばは いつの世に
使ひ初めしや 知る術しらず
遠代より 神に向かひて 言あげの
やまとことばの 響き聞き来ぬ
わが言葉 子等に伝へむ わが子等よ
孫に伝へよ やまとことばを
幾世代 受け継がれ来し 山川の
ゆたけき国の 言葉乱さじ
と 詠み 縄文人とも大和言葉を用ひれば
充分に会話が成立するのではと思ひしかば
タイムマシンに乗りて行き試みたく思ひけり。