新編・伊勢物語 第百九十六段 甲斐の国の風土記の森 星原二郎第百九十六段 甲斐の国の風土記の森 むかし、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十八年の初夏、甲斐の国の最大級の古墳 丸山塚古墳・銚子塚古墳のある「曽根丘陵公園」へと行きけり。 行きて、歌を 甲斐の国 風土記の森の 奥処(おくが)より うぐひす聞こゆ いざなはれゆく と詠み、これらの古墳の作られし時代へと 八咫烏に先導されし神武東征にあらねど、鶯の声に先導されタイムスリップして行く感覚にとらはれけり。