第百八十八段 小布施にて
昔、男ありけり。 今も男あり。
その男、平成二十八年の初夏小布施へと行きけり。
しかして、小布施の感想を
歌に
痩蛙 負けし一茶が 名を残す
小布施の里の 岩松院かな
よく見れば 既に足ある 蝌蚪もゐて
おびただしければ 末恐ろしき
池の底 ゐもりすいすい 泳ぎをり
夏の昼ふけ 涼しげに見ゆ
名品の 栗の菓子をば 家づとと
求めつつ思ふ 一茶が子のこと
栗の花 咲けば小布施に 夏は来ぬ
道の両側 つづく栗畑
と 詠みしかば 小林一茶翁に作品の批評を
願ひたきと思ひにかられけり。