第百八十六段 杉原千畝の人道の丘
昔、男ありけり。 今も男あり。
その男、平成二十八年の五月
「杉原千畝記念館・人道の丘」を訪ねけり。
ナチス・ドイツの迫害を逃れしユダヤの民びとを
あまた救ひし外交官の業績を讃へて立てられたる
記念館と公園なり。帰り来て
歌に
楽の音は 日ごと響もし 噴水は
時ごと揚がる 千畝讃へて
聞きしこと なき楽なれど 人道の
丘を讃ふる 曲の親しも
大いなる 仕事をなしたる ひと思ひ
まなぶたを閉ぢ 聴き入る吾は
美濃の国 八百津の地より 世界へと
平和を願ふ 楽とどけかし
と 詠み 賞賛を惜しまざりけり。