新編・伊勢物語 第百七十五段 石と岩と巌 石橋を渡らず 第百七十五段 石と岩と巌 石橋を渡らず 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十八年、それまでの己が人生を 省みて、歌を 石橋を 叩きてつひに 危うきを 渡るなく過ぐ わが一代(ひとよ)かな と、詠み かの孔子「君子ハ危ウキニ近寄ラズ」と 言ひし事、思ひ出しけり。