第百五十四段 石と岩と巌 隕石
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成のある年の夏、夜空を見上げ
流星群を眺めけり。
瞬き煌めく幾筋を見送り、
歌を
隕石は はるか宇宙より 飛び来たり
燃え尽き果てむ 時に光れり
宇宙より 隕石飛び来て 果てむ時
光れるといふ わが老いかくあれ
と、詠み 漫画家の弘兼憲史氏の人気連作の
「黄昏流星群」を思ひ浮かべけり。
ちなみに、その男の後半生の物語もまさに
「黄昏流星群」の一話とぞ思ひけり。