新編・伊勢物語 第百五十段 石と岩と巌 二見が浦の夫婦岩 星原二郎第百五十段 石と岩と巌 二見が浦の夫婦岩 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成のある年、伊勢の国は 二見が浦の夫婦岩へと行きけり。 年に二度、架け替へられる大注連縄の真新しきを眺めて 歌を 男岩 女岩とを 結びたる 大注連縄の 絆をもがな と、詠み よろずのものは日日に傷みゆくものなれど 年に二度、リフレッシュ出来るのであるなれば、 夫婦仲も続くものと思ひけり。