新編・伊勢物語 第百四十五段 石と岩と巌 諏訪大社の力石 星原二郎第百四十五段 石と岩と巌 諏訪大社の力石 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成のある年 信州は諏訪の諏訪大社春宮へと行きけり。 その参道の脇に大中小の三つの力石 並び有れば歌を 大中小 三つ揃へる 力石 諏訪のおん前 競ひしならむ と、詠み 御柱祭りがことの外、有名なれど その祭りの前後してとりおこなはれたであろう 近在近郷の若者による力比べの様子に思ひを 馳せけり。