新編・伊勢物語 第百四十四段 石と岩と巌 蔵王権現の断崖 | isemonogatari2のブログ

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第百四十四段 石と岩と巌 蔵王権現の断崖

昔、男ありけり。今も男あり。

その男、平成のある年の樹氷に樹々が身を装ふ前の

蔵王へと行きけり。

行きて歌を

 峨々と迫る 蔵王の山の 断崖(きりぎし)

   巌の(おも)に 祖父浮かび来ぬ

と、詠み 孫には優しかりしが

巌の如く(いつか)しき祖父の在りし日を偲び

名物の蔵王大露天風呂へと行きけり。

ちなみに、巌の如き祖父の面影

巌に似てゐし祖父故か

巌の面が祖父に似てゐしかは

さだかならざると思ひけり。