新編・伊勢物語 第百四十二段 石と岩と巌 安宮神社の石神 星原二郎第百四十二段 石と岩と巌 安宮神社の石神 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成のある年、 信州の安宮神社へと行きけり。 行きて、歌を 修那(しょな)羅(ら)の 石の佛と 石の神 逆らひし者らの 末期にあらむ と、詠み 大和朝廷に従服せず、抹殺されたであろう 縄文系の人々の末期を思ひ掌を合はせけり。