新編・伊勢物語 第百二十五段 昨日今日まで 星原二郎第百二十五段 昨日今日まで むかし、男ありけり。今も男あり。 その男、本家の「伊勢物語」の最終段の百二十五段 「つひに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりけり」を本歌として 離婚時の想ひを本歌取りの歌に 出会ひあらば 別るることは 常なれど 昨日今日まで 思はずに来し と詠み、かかる時、在原業平なれば 如何に詠みしかと思ひをめぐらしけり。