新編・伊勢物語 第百十八段 国府宮の裸祭り 星原二郎第百十八段 国府宮の裸祭り 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成の或る年 尾張の国の国府宮なる尾張大國神社の儺追神事、 俗称・裸祭りに行きけり。 国府宮の裸祭りは天下の奇祭にて、その神男に触れ 厄を祓ひ 無病息災を願ひ 五穀豊穣を祈る 数百年続く神事にて 歌を 仁王様と 似通ふ裸の 男にて 尾張に春を 呼び込む祭り と、詠み 仁王様然たる、神男に触れむと 思ひしかど 人波に呑まれ、押され、近寄り難く 諦めけり。