新編・伊勢物語 第百十七段 旅の衣装  星原二郎 | isemonogatari2のブログ

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第百七段 旅の衣装

むかし、男ありけり。今も男あり。

その男、旅をこそ人生と考へけり。

ある日、旅の衣装に思ひを寄せて

歌を

 夏なれや 小千谷ちぢみの 作務衣着て

   旅に出でむよ 北に向はむ

 秋されば 阿波の藍染 作務衣着て

   旅に出でむよ 西に向はむ

と詠み、作務衣を

定番の衣装として、旅を行きけり。

【蛇足ながら、秋さればの《去る》には《来る》の意味が古来より有り、この歌の場合も《秋来れば》の意なり】

秋されば…の歌、秋のa 阿波のa藍染のaの音韻、良からずや。