新編・伊勢物語 第九十六段 坂本龍馬の死の意味 星原二郎第九十六段 坂本龍馬の死の意味 むかし、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十八年の冬 京都は霊山護國神社へ坂本龍馬と 中岡慎太郎の墓参りに行きけり。 行きて、歌を 志(こころざし) 半ばに逝ける 龍馬なれ あと継ぐ者ら あまた生かしむ と詠み、彼の死後の明治維新を成し遂げたるは その遺伝子を継ぎたる者達と思ひけり。 彼は死すれどその意志、生きたりと思ひければ 男子の本懐を遂げたりと讃へけり。